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老大学生奮闘記#8 黒船の威力

 

 前回、ペリー提督の率いる黒船来航と、それに続く日本の近代化についてお話ししましたが、たった四艘の船が来ただけで、300年近く続いた江戸幕府が揺らいだのはなぜなのか。

黒船の巨体は当時の日本の大型船の6倍から7倍はあったと言われます。それ以上に幕府を弱腰にさせたのは大砲の威力です。

当時の日本の大砲玉は石を鉄に変えただけでしたが、黒船のそれは炸裂弾でした。木と紙で作られた江戸の町はたちまち火の海と化します。

 

 この力の差を生み出したもの、それは科学の力でした。

近代科学は17世紀にヨーロッパで生まれ、その移民たちによってアメリカは建設されました。

そのフロンティアの全線であったので動力を必要としていたのです。蒸気機関がその先導をしました。

日本はと言えば幕府は各地の大名の力をそぐために武器は刀だけ、馬の力牛の力さえも制限し人を駕籠かき人夫の力で運ぶということをしていました。

 

 アジアはそのころ南方の方からヨーロッパの国々の植民地となっていました。そのことを知った学者、下級武士たちは危機感を抱き、日本は一気に明治維新、近代化へと動いたのでしたが、このように歴史を動かした科学とはいったい何物か、これを考えるとその根底に数学が潜んでいたのでした。

そしてこのことが物質文化の優勢と精神文化、とくに宗教の軽視化を招いていることが分かったのでした。

 

 福音の力はこうしたこととは別だという見方もあることは知っています。しかし今の教育は知性優先を推進しており精神の貧しさを招いていることは否めません。その原因を探ろうとすると、結局 数学にたどり着いたのです。

  

 

            協力牧師 Amos (A.S.S.)